幸せの1ページ」を観た。(監督、脚本:ジェニファー・フラケット&マーク・レヴィン キャスト:ジョディ・フォスター、アビゲイル・ブレスリン、ジェラルド・バトラー、他)

現実離れしたファンタジーが、あまり得意ではない私、冒頭の部分を観て、
「観にきたの、失敗だったかな」
と思ったけれど、観ているうちにそんな気持ちは吹っ飛んでしまった。

↓以下、あらすじ。↓
アレクサンドラ・ローバー(ジョディ・フォスター)は、アレックス・ローバーというペンネームで冒険小説を書いているベストセラー作家。

しかし現実のアレクサンドラは、書いているキャラクターとは正反対、対人恐怖症で、外出恐怖症で、潔癖症のひきこもり。

アレクサンドラが小説の情報探しのためインターネットで検索していたところ、「火の山」と呼ばれる南の島に暮らす科学者がいることを知る。

その科学者、ジャックは11歳になる娘(ニム)と二人、動物たちに囲まれ、自然の中で生活していた。
数ヶ月に一度、島にはない必需品が船で運ばれてくる。

その荷物の中にはアレクサンドラが書いている冒険小説も入っていて、ニムはアレックス・ローバーの大ファンだった。

ある日、ジャックはニム一人を残し、研究のために船で出かけていく。二日後には帰ると言い残して。

その留守中、ジャック宛に、アレクサンドラからのメールが届く。

ニムは大ファンであるアレックス・ローバーからのメールであると知って、大喜び。

彼女たちはメールのやり取りをするようになる。

ジャックが出て行った夜、島付近は嵐に襲われる。

ジャックが乗った船は難破し、ニムがいた家も嵐の被害を受ける。

一晩明け、目を覚ましたニムはジャックに連絡をとろうとするが、応答がない。

ニムとメールのやり取りをするうち、ニムが11歳の女の子であること、今一人ぼっちでいることを知ったアレクサンドラは、救助を向かわせようとするが、うまくいかない。

残る手段は彼女自身が、ニムを助けに行くことだけ。

外に出るドアノブすら回せないアレクサンドラは、サンフランシスコから、南の島に住むニムを助けに行こうと決意する。

果たしてアレクサンドラは、ニムの島にたどり着けるのだろうか。

そして、ニムは、ジャックは、どうなったのだろうか……

この後、ネタバレあり。
冒頭部分ではあまり引き込まれなかったのに、どうして私がこの映画に引き込まれていったのか――

簡単に言うなら、「人間の中にある愛すべき部分を思い切り満喫できる映画であったから」ということ。

玄関からちょっと出たところにある郵便受けに手紙がたまっていることを確認しながらも、外に出られないアレクサンドラ。

車酔いも酷いアレクサンドラ。

その彼女が、自分の部屋を出て、飛行機、船を乗り継いで、ニムの待つ島に向かおうとした動機はなんだったのか。

とにかく、
「私が行かなければ、ニムが危険な目に遭ってしまう!」
という、会ったこともないニムを助けようと思う気持ちだけなのです。

島にたどり着くまでには、頭がおかしい女扱いをされ、追い掛け回され、一人で嵐の中、ボートを漕ぎ、荷物も失い、びしょ濡れになり、そのボートも転覆し、海に放り出されてしまう。

命からがら島にたどり着いたのに、やっと会えたニムには、
「あなたはアレックス・ローバーじゃない!」
と言われ、帰れと言われてしまう。

挫けそうになる心を奮い立たせながら、ニムに近付いていく。

ニムを抱きしめながら囁いた、アレクサンドラの言葉。

対人恐怖症で、外出恐怖症だったはずのアレクサンドラの心をここまで変えたのは、ニムの存在であると同時に、自分の中の、損得勘定ではない「ニムを助けたい」という純粋な気持ちだったのだ。

そして物心ついた時から、島に暮らしているというニムの逞しいこと!

私はもしかして、ワイルドな人に憧れるところがあるのかもしれない。

だって、便利な生活に慣れてしまっている私などには絶対に出来ないことを、小さな女の子であるニムが軽々やってのけるのですよ。

ジャックの乗る船が波にのまれた時には、思わず顔を覆った。

私は、泳げないわけではないのに、”溺れる”ということにすごく恐怖を感じるのだ。

溺れた記憶があるわけではないのに、不思議ですが。
「うわー、ジャックがこんなことに! こういう展開か!」

このままジャックがいなくなっていたら、私はこの映画はあまり好きにはなれなかったと思うのですが、ジャックは逞しかった。

それも「自分の命が惜しい」というより、「ニムに会いに帰る」というニムへの愛情のために、何度も危機一髪になりながら、がんばるのです。

このジャックのワイルドさも、素晴らしかった。

私は結構動物好きなので、ニムと仲良しの動物たちが、ニムとジャックのために力を貸してくれる様子、一緒に戦う様子も、観ていて楽しかった。

以上、ネタバレ終わり。
――というわけで、観終わった後の私は、とっても幸せな気持ちで、
「あー、この映画、観てよかった!」
だったのです。

この映画の原作は「秘密の島のニム」(ウェンディー・オルー著)という児童書だそうです。

作家の江國香織さんが、
「子どもの本の基本は人生が幸福なものであると思えること」
と語っているそうで(岡田貴久子さんのコラムより)、この映画は正に、そういうことを自然に教えてくれる映画でした。

でも、その物語を、大人も楽しめる映画にしたのは、非現実の中にある”リアル”だと思います。

「作り話だよね」では済ませられないリアルな味わいが、この映画にはあるのです。

世界のどこかに、ニム親子が暮らしているような幸せな島があるのかもしれません♪



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