『自分が「たまらないほど好き」になる本』を読んだ。

ジョージ・ウェインバーグ著、加藤諦三訳

加藤諦三さんの著書は読みやすく、学生時代に何冊も続けて読んだ記憶がある。

あるとき、あまりにも加藤諦三さんらしくない感情的ともとれる著書を読み、あまり良い気持ちになれなくて、それ以来、読むのをやめてしまった。

先日、この著書を紹介しているブログ記事を見かけ、読んでみたいなと思ったことと、加藤諦三さんの訳ということで、懐かしくもなり、久しぶりに興味を持って読んでみた。



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もともとは「自己創造の原則」というタイトル

この著書を取り上げていたブログにも書かれていたのですが、もともとは「自己創造の原則」というタイトルだったらしい。

タイトルも内容もマイルドになって、再出版されたとのこと。

マイルドになっているとはいっても、結構、ズバズバと率直な言葉で書かれているので、読んでいて気持ちが良かった。

いろいろなことが書かれているけれど、人によって、気になる箇所は違うと思う

 

※この先、ネタバレ注意です!

「あなた自身」を創りあげている基本原則

あなたがなんらかの行動を起こしたとします。するとそのたびに、自分のしたことの動機となった考えを強めているのです。

わかりにくいこの心理について、著書では、例をあげているので要約。

あるパーティーで、ラルフという男性がある映画について、批判的な意見を述べました。

彼は、特にその映画が嫌いだったわけではありません。

映画について批判的意見を述べることで、自分の頭の良さをアピールしたかっただけです。

聞き手が感心して聞いているだけなら、ラルフは自分の自尊心を満足させることができたのですが、そこに反対意見を述べる男が現れました。

ラルフは意地になり、その男をやり込めるため、映画をさらにこき下ろし、反対意見を述べた相手のことまで批判します。

このやり取りのせいで、ラルフは最初はそれほど嫌いではなかった、その映画のことが大嫌いになりました。

映画のことを話題に出し、実際に言葉で批判することで、「この映画が嫌い」という想いを強固なものにしてしまいました。

 

このラルフの行動について、さらに説明がされている。

ラルフがそこまで熱くなったのはなぜなのか?

彼は育ってくる過程で「知的であることだけが自分の存在意義」というような思い込みをするようになっていた。だから自分の知性をアピールするために、映画に対しての批判的な意見を述べた。

「おまえの考え方は間違っている」と、自分の知性を否定されたことは、自分の存在意義を否定されたこと

ゆえに、ラルフは躍起になって、否定的意見に向かっていった。自分の存在意義を守るために。

間違ったがんばり方をしない

例に出したラルフは、なぜここまで自分が躍起になってしまうのか、自分でも気づいていない。

知的でなければあらねばと思い込んでいる。知的ではないところにも、ラルフの良さはあるのかもしれないのに。

そして、「知性」をアピールすることで、「自分の存在意義は知的であることだけ」という思い込みをどんどん強くしている。

人は、気付かないうちに「××であらねばならない」と思い込んで、その欲求を満たすために行動していることがある。

そしてその行動によって、動機となっている「××であらねばならない」という想いをさらに強めている。つまりその行動は「間違ったがんばり方」だ。

「××であらねばならない」が、フラットではない想いなのであれば、直していくべきである。

直していくのは本人にしかできないし、直していくためにはまずフラットではない想いに「気づくこと」が必要だ。

反復性のある経験を避ける

人それぞれ、気になる箇所は違うと先に書きましたが、私の心に響いたのはこの言葉。

つかの間の充実した一瞬を手放してはいけない。過ぎゆく人生の「いかだ」にすがるようにそれらをつかまえる

さらに、

できるかぎり、反復性のある自動的な経験や活動は避けなさい。新鮮な感情や感激を持ちこめるような経験や活動を探すのです。何度も何度も同じ冗談や話をくり返していてはいけません。

これ、心に刺さったー。

状況に満足しているのなら、そのままで良いのかもしれない。

しかしそうではないなら、同じ状況の中で同じことを繰り返し、同じ人と顔を合わせて同じ話題を繰り返していてはいけない。

それが幸せではない習慣なら、新しいことを取り入れていくことをしなくちゃ。

変わろうとしないで、不満を抱え続けているのでは苦しいだけ。

放棄しないでやり遂げること

あきらめることは無能力感を強化します。やりつづけることだけが、あなたを成功に結びつけてくれるのです。照明が完全でなくても絵を描くのです。

「照明が完全でなくても~」というのは、暗闇の中でも絵を描きなさい、つまり状況が厳しくてもやり続けなさいということ。

この文章で思い出した。映画「火花」を観たときのセリフ。

「おもしろいと思ったことを伝えなかったら、なかったことにされちゃうんですよ!だから伝える努力を怠ってはいけないんです!」

そう、本気でやりたいことがあったら、諦めてはいけない。とにかくやり続けること。

 

何度も言ってしまうけれど、この本は人によって、心に響く部分が違うと思う。

別に読む必要がない人もいると思う。

でも、少しでも気になったなら、一読するのがおススメ。

 

ま、個人的感想としては(ちょっと小声で)、タイトルでもある、自分のことを「たまらないほど好き」になることもないんじゃないかな~って思う。
別にたまらないほど好きになろうとしなくたって……^^;ちょっとチカラ入りすぎでしょ。

よく言われることかもですけど、自分も写っている集合写真を見たとき、真っ先に自分を探して写り具合を確認するでしょう?
自意識過剰とかではなくて、誰もが自分のことは一番気になる、そういうことなんだと思います。

 

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