「幸福な食卓」を観た。(監督:小松隆志、出演:北乃きい、勝地涼、他)

テレビで紹介されているのを観て、
「これは私好みの映画に違いない。観にいこう!」
と思った。

泣いた~(TT)

妹尾まいこさんの原作は読んでいないのですが、たぶん、原作はもっと私好みのような気がする。

中原家では、朝食は家族全員でとるということになっているため、重要な発言は朝食の席でされる。

父親を辞める、という宣言をした父親。

家を出て別居する母親。といっても、両親とも家族を捨てたわけではない。

優秀なのに大学進学をせず、農業を始めた兄。

そして、普通の中学生の主人公、佐和子。

一見、普通じゃない、不自然な家族。

でも、”普通”ってなんだろう?

それぞれは、自分が”自然”であるために、周りから見たら”不自然”な家族になっている。

決して自己中心的な考え方からそうしているのではなく、そうすることが家族のためでもある、ということに気付いているからだ。

佐和子と大浦勉学(勝地涼)との恋愛の様子は、とっても微笑ましい。

真面目な佐和子。

大きな心で、佐和子を包み込む、真っ直ぐな大浦。

2人は励ましあい、同じ高校に進学する。

原作を読んでいず、あらすじを知らなかった私は、
「この展開は……、ひょっとして……」
と思いながら、そうならなければいいのに、と思った方向に物語は進んでいってしまう。

泣き叫んだりはしない佐和子の悲しみが伝わってくる。

「心配してる」と口に出さずとも、佐和子を思う家族の気持ちが伝わってくる。

16歳という若い佐和子が、どうやってこの悲しみを乗り越えていくのだろうと思いながら観ていた。

押し付けがましいホームドラマなんて嫌いだ。

家族が絶対に裏切らない素晴らしいものだなんて考え方は、嘘っぽい、きれいごとにすら思えてしまう。

脚本を書いた長谷川康夫さんも書かれていますが、この物語は結局、大浦が佐和子に言う台詞、
「すごいだろ。気づかないところで中原っていろいろ守られてるってこと」
というのが、わざとらしくなく描かれているのかどうか、というところにあるのだと思う。

そして私はこの映画を観て、そのことが見事にきちんと描かれていて、心に訴えかけられた、というふうに感じた。

ラストで流れるミスチルの主題歌(くるみ ―for the film― 幸福な食卓)が、また素晴らしい。
♪ねぇ くるみ
時間が何もかも洗い連れ去ってくれれば 生きる事は実に容易い
ねぇ くるみ
あれからは一度も涙は流してないよ
でも 本気で笑う事も少ない♪
♪出会いの数だけ別れは増える
それでも希望に胸は震える
引き返しちゃいけないよね
進もう 君のいない道の上へ♪

 




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