実は、2月末日、amazon Kindleで、初めて電子書籍を出版しました。
その体験記はコチラ↓
このサイトは、本と映画と音楽のレビューサイトですが、今回は、
自分で書いた小説を自分でレビューするという荒業にチャレンジ!!
してみようと思います。
もちろん、大いにネタバレします!^^
読んでいなくても、読んだような気持ちになっていただけたらと思います。
そしてイメージが膨らんで、なにかでコラボとかできたら、とっても嬉しいです^^!
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あらすじ
ユリカは中学二年生。私生児であり、父親の顔を知らず、水商売をする母親と二人で暮らしている。
母親に「予定外に産まれた子供」と言われて、「予定外に生きてるのなら、いつ死んでもいいのだから、かえって気楽」と開き直りながら、予定外に生きている割には、自分は生きるのがうまいと思っている。
母親がある晩突然、高校生の男の子(シゲル)を連れてきて、「これからは三人で一緒に暮らす」と言う。
シゲルは母親の隠し子で、血のつながったユリカの兄だというのだ。三人のチグハグな共同生活が始まった……。
↓冒頭部分、引用↓
あたしは、私生児だ。
もっとわかりやすく言うと、ママだけがいてパパはいない。パパの顔すら知らない。
ママは、未婚の母だ。
「予定外の出来事だったのよ」
あたしの誕生について、ママは言う。
あたしは予定外に、この世に生まれてきた。そして予定外に生きている。今までも、今も生き続けている。かれこれもう十四年も、生きている。
予定外に生まれてきたのに、生きるのが上手
冒頭部分にも出てくるように、主人公のユリカは「予定外に生まれてきた」。
しかし「予定外に生まれてきた」のに、「生きるのが上手い」という自己評価が、この物語のキーポイント。
そしてヒネクレ女子であるユリカは、言葉遣いが荒いのが特徴。不良というわけではないけれど、こんな調子。
自分でいうのもなんだけど。
あたしは、うまく生きている。
予定外に生まれて生きているあたしが生きるのがうまいたあ、一体この世はどうなっているんだろうね?
一緒に住んでいた父親が急に亡くなってしまったため、もやしっ子みたいなシゲルはユリカ母娘と暮らすことになった。
通っている高校にもほとんど行っていないというシゲルに、ユリカは説教をする。
「働けよっ! 学校行かないんだったら、どこぞでも行って働けっ! 給料とってこいっ! 学校も行かない、仕事もしない、で、おまえそれでいいのかよ!?」
(中略)
とにかく、このままじゃこいつはダメんなる。頭は悪いし、学校にも行ってないし、うちん中でテレビ観んのに熱中しているようじゃお先真っ暗だ。
しかしシゲルから嫌な学校に通う意味を問われて、ユリカは答えることができない。
「生きる」ことを描きたいと思っているのに、「死」が出てきてしまう
作品を通してなにを描きたいのかと聞かれたら、「生きること」「生きていくこと」を描きたいと答える。しかし私の書く物語には、何故か「死」が出てきてしまうことが多い。
「生きることを描きたいと思っているのに、なんでだろう」
と考えていて、あるとき気づいた。
生と死は真逆のところにあるようでいて、実はおなじところにある。
生きていれば必ず死に遭遇する。
そして生きているものは、いつか必ず死を迎える。
生きることを描くことは、同時に死を描くこと。
どちらか一方を否定した描き方は不自然だ。
だからといって死ぬために生きているわけではない。
生きるために生きている。
生きている間になにをして、なにをつなげていけるのかを模索しながら生きている。
なにもつなげていけないかもしれないけれど、とにかく精いっぱい模索しながら生きている。
精いっぱい以上のことはできないから、精いっぱい生きている。
本当にユリカは「生きるのがうまい」のか?
ユリカはクラスの中でうまくやっていくため、リーダー格の女子のラブレターの代筆をすることになる。
それをシゲルに指摘されて、キレる場面が出てくる。
ユリカからしたら、学校にも行かず、楽なほうに逃げているシゲルにわかったような口を利かれたくなかったのだ。
「あたしだってわかってんだよ! ラブレターなんてのは、一晩かかって一行しか書けなくても、そんでも自分で書くべきだ! そんで、どうしても書けないんだったら、いっそのこと書かない方がいいってね! わかってっけど、わかってっけど、あたしは書いてやるんだよ! 書いてやんなきゃ、やってけなくなるからさ! ちきしょーっ! おまえなんかにわかってたまるかっ!」
ユリカは生きるのがうまいのではない。必死にうまく生きようとしているだけ。
生きてきた中で傷ついたこともたくさんあって、でもその傷をまともに引き受けたら自分がつぶれてしまう。
だから傷ついていないふりをして、上手に生きているふりをしているだけ。
シゲルがもたらした変化
一見、頼りなくて、登校拒否男子だったシゲルが、ユリカとユリカママの生活に入ってきたことによって、3人それぞれに変化が起きる。
しっかり者の娘のユリカと接してきて、「ダメな母親」だったユリカママは、シゲルと接することによって母親らしくなっていく。
「いっつも落ち着いてるしさ。人のこと冷めた目で見て。甘えてきたり、しないじゃない。全部自分で解決しようとするじゃない。シゲルくんみたいに、いかにも頼りなげーって感じだと、手をかけてあげたくなるもんなのよ」
ママは言いながら感情が高ぶってきたように、声を上ずらせた。
「そりゃ、あたしはバカよ。結婚しないで子供産んじゃうし、仕事はすぐクビになるし。あんたから見たら、まるで頼りないでしょうよ。だけどさ、そんな“ダメなやつ”みたいな目で見ることないじゃない。どうせクズみたいな人間ですよ、あたしは」
そして頼りないばかりだったシゲルも、ユリカママが職場で負傷したことで、自分がしっかりしなくちゃと思うようになる。(”依子”はユリカママの名前)
「ボクね、すごく嬉しかったんだよ、依子さんが一緒に暮らそうって言ってくれて。お通夜の時、声をかけてくれた依子さんが女神みたいに見えたんだ」
顔を上げたシゲルの瞳が、キラキラしていた。
「で、昨日、そんな依子さんが怪我をして……、それでボク、思ったんだ。ボクは依子さんを助けるべきだって。依子さんの力になってあげるべきだって。男として、ぼんやりしている場合じゃないぞって」
ユリカママはユリカがシゲルに聞かれて答えられなかった「嫌な学校に通う意味」について、きちんとシゲルに答える。
しっかり母親しているユリカママと、男らしく決意をしているシゲルを目の当たりにして、ユリカにも変化が訪れる。
自分を殺してうまくやっていくことをやめ、正しいことを主張する勇気を持った。
あたしは深く息を吸った。小さな勇気。大きな波紋。
「あたし書けないよ、ラブレター」
「はあ?」
「ラブレターってのはさ、苦手だとしても自分で書くもんだ。人に頼むようなものじゃないと思う」
そして、いつ、のたれ死んでもいいと言っていたユリカは、生きていく目的を見つける――
☆裏話☆
実はこの小説、某出版社の賞で、最終まで残りました。
気に入ってくれた編集さんがいて、出版社まで呼ばれました。
ところが、まあ、結果的に、見事に落選。
行ったときに、編集さんよりエライ方に言われたのが、この主人公、言葉遣いも悪いし、可愛げないじゃないですか。
そこが一番、気に入られなかった原因なのかなと感じました。
作者としては、そこがこの物語のポイントだったのですが。私は毎回、この手のキャラクターを主人公にしているわけではないので。
むーん、そこがダメとなると、もう根本的にダメなわけです^^;
もちろん、ほかにも至らない点があったのだとは思います。
なんだかんだあっても、時を経て電子書籍出版が自分でできたからよかったのかな??
本当は、紙の本にもこだわりがあるのですが。
だって、やはり紙の本から受ける感覚は格別なんですよー
さて、今回は自分の小説を自分でレビューするという荒業に挑戦してみました!
いかがでしたか? いかがでもないか……
とりあえず、もう一回、リンク貼っておきます!
たぶんほかの本を買ったときに、ついでに無料で読めると思います!
もちろん、普通に購入していただけると、なお嬉しいでございます(*^_^)v♪
よろしくおねがいいたします!<(_ _)>
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