私は楽器は演奏するより、誰かが演奏するのを聴いているほうが好きです。

それは既に子供の頃に悟ったことで、幼稚園の頃からピアノを習っていましたが、
あの、楽譜をみながらその通りに弾くという、まるで記号を読み取っているような作業が苦手でした。

それで、レッスンに行っては自分のレッスンそっちのけで、先生に、
「弾いてよ~」
と頼み、先生が演奏するのを聴いて感動しているという、生徒としては問題児のガキンチョでした。

当時から好き嫌いだけで動くようなところがあり、好きな曲だけは異常に早く覚えました。

好きな曲だと練習が楽しいので、夢中でやるからです。

それと、勝手に作詞作曲しているのは好きでした。
といっても、いかにも子供が作る、意味がよくわからない歌詞などがついていたのですが。

その後ピアノ以外の楽器演奏にも、のめりこむということはなかったので、私は楽器の演奏には向いていないし興味もないと思っていました。

そんな私がリコーダーで「Ruby Tuesday」を練習していますが、
これはこの曲が好きで、この曲のリコーダーを演奏できるようになりたい!という強い欲求があるからです。
別に今後、リコーダーを極めていこうとか、奏者になろうとか思っているわけではありません。

もうひとつ、私が練習をしながら不思議に思っている楽器があります。
「ムビラ」というジンバブエの民族楽器です。

ブライアンの影響で民族音楽に触れるようになったのですが、
演奏を聴くのはいいけれど、自分で演奏したいなんて思ってもいませんでした。

ところが、何故かワークショップに参加するようになりました。
しかし、習っていても、楽しいと思えたことがないのです。

もっと上達したいという気持ちも、合奏に参加したいという気持ちもありません。
というより、合奏などをすると下手っぴな私は他の人の足手まといになるので、苦痛でなりません。
それなのに、練習しているのです。
もうやめよう、もういやだ、と思いながら。
不思議過ぎです。

先日、そのムビラの普及活動をしている方へのインタビューが実現しました。コチラ
その中で語られています。
「ムビラの音は心の状態を映す鏡なんです」

話を聞いた時は、
「確かに。プレイヤーの心は音に表れるものだ」
と他人事として納得しました。

でも、ふと思ったのです。
「心を映す鏡? だとしたら、ムビラの練習をするとき、私の心も映っているのだろうか」
と。

私はムビラを演奏していると、上手く弾けないので、自分のダメさ加減を思い知らされてるような気がして悲しくなり、落ち込んできて、次第にイライラしてくるのです。
その理由を、
「演奏が好きじゃないからだ」
と解釈していましたが、そういう単純なものではなくて、実は自分の心を映し出しているのだとしたら?

表面には出ていないけれど、私は怒りとかイライラを心の中に強く持っているのではないか、と。

もしも怒りを持っているのだとしたら、他人に対してではなくて、自分に対してだろうと思いました。
不甲斐ない自分に対して。

自分に対して怒りを持っているのだとしたら、それはどうにか解消する方向にもっていかなくてはいけない、

でも、どうやって?
怒りで怒りを制することは逆効果だと思いました。
そして気づきました。

もっと心を豊かにしていくことが必要なのではないかって。
自分の心を鍛えていくための勉強や体験をして、いろいろと感じ取っていくことをしなければいけないって。

それは机に向かってするような勉強も含めて、本を読んだり、映画を観たりすること。
いろいろな場所に足を運んでみること。
いろいろな人と出会い、話し、心の交流をしていくこと。
その中から、学んでいくこと。

こんなことに気づいた私は「龍之介生誕33周年記念独演会~夕刻5時からの屋根裏音楽会~」に行ってまいりました。

予約をするのが遅かったので、整理番号は後ろのほうでしたが、ラッキーなことに前のほうのいい席が空いていて、
今までで一番いい席に座りました。

龍之介さんのライブはいつも心全開で行きます。

それでも傷ついたりすることはない、大丈夫って思っているからです。

いつものように泣いたり笑ったりしながら、ゆったりと心地よく龍之介ワールドに浸りました。

「鳩よ」を聴きながら、戦後の廃墟のような日本をここまで自由で安全な国にしてくれた日本人たちにあらためて「ありがとうございますっ」と感謝したり。

新曲の「サラバだ! サラダバー」を聴きながら、これはある意味トランスミュージックだなあ、なんて思ったり。

そしてゲストの中尾諭介さんとの「Like A Rolling Stone」は超迫力でした。

日本語バージョンでしたが、オリジナルはボブ・ディランです。

昔は羽振りがよかったのに、落ちぶれて、帰る家もなくなった、
How does it feel?(どんな気分だ?)
How does it feel?(どんな気分だ?)
と、ボブ・ディランが目をギラギラさせながら、鬼気迫る形相で歌う、あの曲です。

最初に映像を見たときには、繰り返し「どんな気分だ?」と問うこの歌詞にたじろぐような気持ちになったものですが、
今回、私は思いました。

私は羽振りがよくて落ちぶれた、というシチュエーションには当てはまりませんが、
もしもいろいろなことが上手くいかなくって、へこたれて、ぼろぼろになっても、
それでも地を這ってでも前進するんだ~!って。
力尽きることになっても、笑顔で果ててやろうじゃん!って。

――龍之介ワールドに浸っていると、たくさんのことを思ったり気づけたりするので、すごいなって思います。

そして勇気や元気やあったかい優しさをたくさんたくさんもらえます。

そんな流れで「Like A Rolling Stone」を聴きましょう。
オリジナルではなくて、ストーンズのカバーです。

どんな気分だ?
どんな気分だ?
ひとりぼっちで
帰る家もなく
誰一人からも知られず
転がる石ころのような存在でいるのは



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