元々、山本文緒さんファンということもあり、久しぶりに観たドラマ「あなたには帰る家がある」。

今までに3つも!ブログを書いてきました。

先日、ドラマの最終回予想を書きましたが、最終回を観終えたので、また書きます!

先日の記事の追記にしようと思っていましたが、追記にしては長くなりそうなので、新たな記事として書きます。

この先、ネタバレ注意です!



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最終回予想、当たった?

さて、私は最終回予想として、ざっくりと、「元サヤに近い関係になる」と書いていましたが、予想は当たったでしょうか?

完璧に当てたとはいえませんが、半分くらいは当たっているといえるような気がしています。

茄子田夫婦は結局、離婚せず、また一緒に暮らすことになりましたし。

真弓と秀明は完璧には、よりを戻したとは言えませんが。

この真弓と秀明の今後予想については、後ほど書きます。ドラマは終わってしまったので、予想が当たるかどうかの答え合わせはできませんが(笑)

綾子がコミカルなキャラに!

途中までは怖いキャラだった綾子が、最終回に近づくにつれ、コミカルになっていきます。

最終回では、

「そうか、綾子のキャラ、そういう見方もあるのか」

と妙に納得すると同時に、見る方向によって風景は変わって見えてしまうんだなあと、あらためて考えさせられてしまいました。

ドラマ制作者、素晴らしいです。

どういうことかと言いますと――

 

一般的目線(一般的、と決めつめるのがそもそもダメな気がする)から見て、綾子は怖いキャラです。

⇒姉の婚約者を好きになる

⇒結婚式前に告白したら、受け入れてもらえる

⇒妊娠する

⇒生まれてくる子供のために父親が必要だと思い、太郎と結婚

⇒秀明と出会い不倫

⇒逃げようとする秀明を追いかけ、秀明夫婦は離婚

⇒家を出て、(嫌がる)秀明と結ばれようとする

 

こわーい!(*_*;

 

で、ここで見方を変えてみます。

⇒姉の婚約者を好きになる

純粋に、想いを伝えたら、意外にも受け入れてもらえた

⇒妊娠したので、子供に必要な父親探しに奔走

⇒茄子田家で良い嫁をしていたつもりが、姑にはいじめられ、夫の太郎は威圧的

⇒家に居場所をなくしていたところで、やさしい秀明に出会い恋をする

秀明の愛にこたえようと突っ走る

 

実際に、ドラマの10話で、姉の婚約者に想いを告げたこと、子供の父親が必要だと思ったことを綾子は告白しています。

綾子は周りを振り回していますが、綾子自身は必死にがんばっているだけなのではないでしょうか。

例えば、告白されたって、姉の婚約者は綾子を受け入れるべきではないし、太郎はワケアリ綾子と結婚しなければよかったともいえます。

綾子だけが性悪な怖い女のレッテルを貼られているのは、不公平にも思えます。

 

実際に現実社会でも、私たちは決めつけて物事を見てしまうということをしがちです。

フツ―に見て、綾子は充分に異常で怖い女です。

でも、綾子の立場からの目線も想像する心を持つことも大切。

また、綾子のようなキャラの人は自分が誤解されがちなこと、ズレている部分があることを意識すること、気を付けられることは直すようにすることに気づいたほうが良いと思います。

不快にさせられる周りも、誤解される本人もつらいでしょうから。

「綾子が作った飯が食いたい」と言った太郎の本音

太郎は、真弓と一緒に生きていくことも考えます。

でも、それは「無理」という結論を出します。

真弓が作ったパンケーキを、「あんなのは飯じゃない」と切り捨て、「綾子が作った飯が食いたい」と言います。

これを普通に聞くと、

あー、男を掴まえたかったら胃袋を掴めって、よく言うよねー

と思ってしまいます。

料理上手な女はモテるのね、と。

料理下手な真弓のことをかばう秀明に、太郎は言います。

「そういうことじゃない」

サラッと言っていますが、これ、重要なセリフだと思います。

「そういうことじゃない」

なにが、そういうことじゃないのでしょうか。

 

考えるに、

料理が下手とか上手とか、そういうことじゃない

という意味なのではないでしょうか。

一生懸命作ったから、も関係ない。

つまり、

そこに愛があるのか

なのではないでしょうか。

愛情がない女性が料理上手であっても、一生懸命作った料理であっても、食べたいとは思わない、

要するに、

愛している女が作ってくれた飯が食いたい

太郎は「そういうことじゃない」と一言で済ませてしまっているので言葉足らずになってしまっていますが、詳しく説明すると、

「真弓のことは愛していないから、真弓の作ったご飯は食べたくない、綾子のことを愛しているから、綾子が作ったご飯が食べたい」

なのではないでしょうか。

愛している女が作ってくれたご飯こそ、男にとっての「飯」。

そう考えると、カッコいい!

太郎と綾子は、異常なまでの一途さといった面で、お似合いなんですね、きっと!

母親にもビシッと言った!

前回、書いたブログで、息子の慎吾に父親が違うことを子供の頃から教えていた太郎の母親にビシッと言って欲しいものだと書きましたが、最終回でビシッと言ってましたね。

考えてみると、「性悪のくせに良い嫁ぶってる綾子」だから、姑も気にいらないのだろうと思っていましたが、あの姑、ひどいですよね。

息子が選んだ綾子なんだし、家事を黙々とこなしているんだし、文句を言うことはない、気にいらないなら同居しなければいいんですよ。

なによりも、罪のない子供にまで冷たく当たっているのはひどいです。

母親にビシッと言えた太郎、エライ!

太郎が10話で言っていたように、一緒に生活して、一緒に食事をしていたら家族なんですよ。それでいいじゃないですか。綾子と慎吾を家族にしようと決意をしたのは太郎なんですから。

「ここは太郎の家だ」と言うなら尚更、太郎の選択と決意は尊重されるべきです。

真弓と秀明

真弓と秀明は、離婚したまま、ヨリを戻すことなく最終回を終えました。

真弓が最終回で言っていた言葉には、すごく共感。

「生きているとつらいこともあるけど、そんなときに顔を見たくなる人、大丈夫って言ってくれる人、場所じゃなくて、そういう相手が”帰る家”」

あっ、「あなたには帰る家がある」、”帰る家”のキーワードがここに使われていた!

と、今あらためて気づきました。(;^_^A

 

真弓と秀明はヨリを戻しませんでしたが、真弓の心情を想像してみます。

真弓は、「終わった」って言っていますが、秀明のことを好きだと思います。

好きだから許せない。秀明の裏切り。秀明が放った言葉。

 

原作の真弓は、許せないけど受け入れます。離婚はせず、秀明と一緒に暮らし続けます。

ドラマの真弓は、許せないから離れます。でも愛情はある。

 

好きだから許せなくても一緒にいるのか、

好きだけど苦しいから離れるのか、

 

原作とドラマは、この2パターンを分けて描いています。

根本に「好き」があるのは同じですが。

 

真弓のキャラを考えると、実はすっごく傷ついているのだと思います。

秀明に裏切られたこと、言われた言葉が突き刺さっているのだと。

ドラマの最終回まででは、傷が癒える時間が足りなかった。

 

で、最終回では2人は恋人関係からやり直しているように思えました。

2人の結婚は、できちゃった婚だったけれど、もう1度、純粋に恋人関係からやり直している。

 

そして、もう答え合わせができない2人の今後について想像しますが、

このまま恋人関係が続いて、また秀明が真弓にプロポーズする。

真弓の傷も癒えて、自分が受けた傷のために、大切な人を拒否している自分の気持ちに気づき、秀明を受け入れることにする。

なーんていう展開になりそうに思います。

だって、2人、別れられないでしょ。

今までのような夫婦の形には戻れないとしても、茶飲み友達風の夫婦にはなれるんじゃないかな。

一緒の家で暮らして、共働きだから家事の協力をしあって、共同生活夫婦になるのもいいのではないでしょうか。

まとめ

原作もそうですが、ドラマも安易なハッピーエンドになっていないところがいいですね。

いや~、今回、「あなたには帰る家がある」ですごく盛り上がれました。

山本文緒さん作品、ほかのも読み直したくなっています。

 

山本文緒さんにも、ドラマ制作者の方々にも、俳優さんたちにも、ありがとうございました!

皆さん、素晴らしかったと思います^^!

 

↓私が持っているのは、この装丁のではないのですが。

もうDVDボックスが出るんですね!

公式サイト

 

「note」に短編小説他、掲載中

 

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