初めはさだまさしさんの曲を聴き感動し、
原作を読んで泣いた私が、
映画化された「風に立つライオン」を観て、また泣いてきました。

この作品は実在の人物をモデルにしています。

1960年代後半、ケニアのナクールにある長崎大学熱帯医学研究所に出向した柴田紘一郎医師。

曲も原作も感動した私は、今までもこの作品について書いてきました。


小説「風に立つライオン」

再び「風に立つライオン」
「風に立つライオン」

が、映画を観て、あらためて感じたことを書きたいと思います。

内容については、散々今までも書いてきたので、今回感じたことだけを書きます。

まず思ったことは、
私は曲を聴き原作を読んだから理解できるけれど、
いきなり映画だけを観た人が理解できるのかなあ?ということ。

時代も前後しているし、登場人物も入り組んでいるし。

現代人って、すごくわかりやすくしないと理解できないのでは?などと、思っていたもので。
自分も現代人ながら失礼な発言になってしまいましたが。

例えば映画でも出てきますが、
主人公の航一郎(大沢たかお)が、ガンバレーと叫ぶ理由について、
原作では、

 ガンバレ」は激励のエールだと和歌子は私に説明したが、後に航一郎が、それは「人に向かって贈るエールではない」と説明した。なぜならば人は誰でもがんばって生きているのだから、その人に「もっとガンバレ」などと他人が言うべきではない、と言った。
それでは誰に贈るのかと聞いたら、航一郎は「自分自身にだ」と答えた。
自分が情けないとき、心が折れそうなときに、自分を励ます言葉なのだそうだ。

と丁寧に説明されています。

ここは原作を読んで感動したところなので、このくらいの丁寧な説明が欲しかったなあと思ってしまいました。

家族を殺され、恐怖心を無くすため麻薬を打たれ、銃を持たされ、人殺しをさせられる子供兵たち。

子供兵という事実は知っていましたが、あらためて、
「大人は子供を守らなくちゃいけないのに、なんで!」
と憤りを覚え、涙が止まりませんでした。

私たちがすべきことは、力がない子供たちにつらい想いをさせることじゃない、
伝えるべき大切なことを伝え、命をつないでいくことなんだ。

航一郎が選んだのは、アフリカで命を救い、つないでいくことでした。

私たちはそれぞれ、自分の役目を持っているのだと思います。
次世代に命をつないでいくために。

曲を聴いてからずっと抱いていた疑問、
歌詞に出てくる

♪やはり 僕たちの国は残念だけれど
何か大切な処で道を間違えたようですね♪

私たち日本人は何を間違えてしまったのだろうか。
間違えたのなら、今を生きる私たちはその道を正していかなければならないけれど、
どう正していけばいいのだろうか。

その疑問の私なりの答えについては、以前、
原点回帰
で書いています。

「日本人のための神道入門」武光誠・グレイル共著、宝島社新書より

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怒涛のように入ってきた西洋の合理的な考えや便利な機械によって、日本に受け継がれていたよい伝統までもが、「無駄の多い作業」「非科学的」として切り捨てられてしまったのです。

道を正していく方法があるとすれば、
忘れていた精神を思い出せばいい、
それは難しいことではなく、
古来、日本人が暮らしていく中で身につけた「自然を大切にして」「人を敬う」ということを、
あらためて意識していくことでいいそうです。

映画には出てきませんでしたが、原作に出てきたこと、

でも、もしもあなたの心が報われなくとも決して絶望しないこと。”愛”は、決して諦めることなく投げ続けること。自分の都合で人に求めないこと。
ンドゥング。
航一郎が好きだった言葉を贈ります。
『飽くことなく与え続けてください。しかし残り物を与えないでください。自分が傷つくほどに与えつくしてください』
マザー・テレサの言葉です。

私は映画を観ながら、
このマザー・テレサの言葉を思い出していました。

自分が傷つくほどに与えつくす……
私事になりますが、
私は最近、自分の考えについて、
「もしかして偽善者なのではないか」
と感じたり、
「何故、こんなに傷つかなくてはいけないのか」
などと感じてしまっていました。

でも映画を観ながらマザー・テレサの言葉を思い出し、
「傷ついたっていいや」
と思い、
「偽善だろうと、自分の中に沸いてくる良い感情は大切にしよう」
と思いました。

こんな私にでも出来ること、他者になにかプレゼント出来るものを持っているのかもしれない……。

そして自分を取り巻く人間関係について、
合理的でクールな現代人は、見て見ぬふりをする傾向があるけれど、
おせっかいになるかもしれなくても、
見て見ぬふりはやめよう、
と思いました。

本当に余計なおせっかい”なのだと、納得できるまで、
おせっかいかもしれないことでもやるようにしよう、と。

私自身が、おせっかいではなく”気にかけてもらえること”で救われたことがあったので、
尚更、強く思いました。
泣きっぱなしだったけれど、
今の私には教えられることが多い映画でした。

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