連休を利用して、北欧に行ってきました。
Okutama
嘘です。

奥多摩にハイキングに行ってきました。

いいお天気で、楽しかったです。

****************

村上龍さんの小説「69」について書きます。

69 Sixty Nine (村上龍電子本製作所)

69 Sixty Nine (村上龍電子本製作所)

村上 龍
420円(03/28 15:21時点)
Amazonの情報を掲載しています

あくまでもブライアン・ファン目線なので、タイトルにした台詞について書くわけですが。

この本は1969年に高校生だった村上さんのまわりで起こった一部の出来事を描いたもの。

「1969年、安田講堂事件が起き、東大は入試中止。アポロが月に行き、ビートルズが「アビーロード」を、ローリング・ストーンズは「ホンキー・トンク・ウイメン」をリリースした。」

「うち、ブライアン・ジョーンズの、チェンバロの音のごたる感じで、生きていきたかとよ」
は、登場人物の女の子(主人公の憧れの人、彼女)の台詞ですが、
ここで、まず疑問に思うのは、
(1)”チェンバロ”って、どんな楽器だっけ?
(2)ブライアンはいろいろな楽器を演奏したのに、その中で”チェンバロ”が台詞に選ばれて使われたのは何故?

(1)の疑問、”チェンバロ”ってどんな楽器?
については、チェンバロは、つまりハープシコードなのだそうです。

なるほど! ハープシコードと言われれば納得。

(2)の疑問、多くの楽器の中から、何故チェンバロが選ばれて使われたのか?
については、この台詞を言う女性が”レディ・ジェーン”というニックネームなので、曲中で使われているチェンバロを使ったのではないかという説があるのですが、
「レディ・ジェーン」と言えば、ブライアンが演奏してるのはダルシマーの印象が強いです。

チェンバロ(ハープシコード)も演奏してたのかな?

ちょっと調べたところ、チェンバロ(ハープシコード)の演奏も入っていたようですが、演奏したのはジャック・ニッチェとなっています。

ジャック・ニッチェは当時、ストーンズの曲において、ピアノやハープシコードで演奏に参加していたようです。

つまり、「レディ・ジェーン」のチェンバロはブライアンの演奏ではない??

そして、続いての疑問。

「ブライアン・ジョーンズの、チェンバロの音のごたる感じで、生きていきたかとよ」

チェンバロの音のように生きるとは、どういうこと?

これは、この小説を実際に読めば自然に理解できるかなって思います。

主人公と”レディ・ジェーン”はデートでトルーマン・カポーティ原作のドキュメンタリー映画「冷血」を観てしまいます。

※引用※

『冷血』は、天使を疲れさせてしまった。これ以上はないという暗くリアルな犯罪ドキュメントで、何と上映時間が二時間四十分もあったのだ。

その映画鑑賞後、気まずいムードになった二人の間に交わされた会話の中に、この台詞が出てきます。

”レディ・ジェーン”は、「あれが実際にあった事件だとしても、映画にする必要があるのだろうか?」と言います。

世の中には残酷なことがあるって知っているけど、どうして醜いものをわざわざ見なくてはいけないのか、と。

そして言うのです。
「うち、ブライアン・ジョーンズの、チェンバロの音のごたる感じで、生きていきたかとよ」

これは、こういうことではないでしょうか。

ブライアンのチェンバロの音=醜い現実ではなく、夢のような心地よい美しい感覚、
要するに、
「(醜い現実は見ずに)夢みるように、美しいものに囲まれて、心地よく生きていきたい」

この気持ち、わかります。

世の中には見るだけで気分が悪くなるようなものがあるのも知っている、
だから、そういうことは、もうわかってるから、これ以上、見たくない、
自分を心地よくさせてくれるものの中で暮らしていきたい。

現実を生きていれば、夢心地のままでいられるわけはないのですが、それでも。

特に、残酷なシーンを観てしまった後には、こんな心境になってしまうのも理解できるかなって思います。

ところで「レディ・ジェーン」は、ストーンズ60年代の3大スウィート・ソングのひとつと言われていますが、
(あとの2曲は「Ruby Tuesday」と「As Tears Go By」)
歌詞を見ると、ミックがマリアンヌと付き合い始めたため、別れたかったクリッシー・シュリンプトンに向けて書かれたものと、思えてなりません。

もうお別れだ
他の女と婚約したから
レディ・ジェーンと一緒なら
金には困らない

レディ・ジェーンが貴族階級の新しい彼女マリアンヌで、別れを告げられているのがクリッシー・シュリンプトン、
のような気がしてしまいます。

この本を読みながらiPodでストーンズを聴いていました。

「Back Street Girl」から始まって、ちょうどあとがきを読んでいるとき「Sittin’ On A Fence」になりました。

あとがきより
※引用※

楽しんで生きないのは、罪なことだ。
(中略)
楽しく生きるためにはエネルギーがいる。
戦いである。

楽しむといっても、筋が通っていない楽しみ方は、結局空虚なんだよね、

なんて思いながら、かかってきた曲「Sittin’ On A Fence」。

なんだか笑いがこみ上げてきました。

「Sittin’ On A Fence」、”どっちつかず”とか言いながら、嫌いなものは絶対イヤなんでしょ、好きなものは誰がなんて言おうと好きなんでしょ、って思っちゃったから。

うん、筋が通ってる。(笑)

というわけで、やはり今回はこの曲、いきましょう。
「Lady Jane」。

あまり鮮明な映像が見つけられなかったのですが……、

ブライアンが演奏しているのは、ダルシマーですよー。


69 Sixty Nine (村上龍電子本製作所)

69 Sixty Nine (村上龍電子本製作所)

村上 龍
420円(03/28 15:21時点)
Amazonの情報を掲載しています



スポンサーリンク


↓ポチっとよろしくです!
にほんブログ村 ライフスタイルブログへ
にほんブログ村

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう