ザ・ローリング・ストーンズ「SHINE A LIGHT」(監督:マーティン・スコセッシ)を観た。

アドバイスに従い、早めに整理券をゲット、そして観やすいはずの席に座ったはずが、前に座る人の頭で冒頭の会話部分の字幕が見えず……;

これから映画を観にいく方、座る位置(または前の人の座高)には要注意です。
ライブ映像になってしまえば、字幕はなくなるので関係ないのですが。

大スペクタルよりも、より小さく親密な場所で撮ることで伝説のロック・バンドの新たな一面を紹介できるというので選ばれたのが、収容人数わずか2800席のNYのビーコン・シアター。

バンドと監督、バンドと観客の距離を縮め、文字通り、ストーンズの原点ともいえるステージ上のバンドに”光を当てた(シャイン・ア・ライト)”。

撮影は2006年10月29日、11月1日。

観る前から、絶対映画館の大きなスクリーンで観るべき映画だという意見を多く見かけましたが、実際に観ると、本当にその通りです。

これは、絶対に、絶対に、大きなスクリーンで観たほうがいい!と断言できます。

満員状態だった観客全員が静かに観ていたのが不思議なくらいで、思わず拍手してしまいたくなるような興奮でした。

”観客は特等席でストーンズの演奏を聴いている気分になる”

正に、これがこの映画の狙いだったようです。

”感動はするけど、泣くような映画ではない”

と聞いていたのですが、思わず泣きそうになったのは私だけでしょうか。

ブライアンファンである私は、どうしてもブライアンを意識しながら観てしまうのですが、最初の「Jumpin’ Jack Flash」が始まった途端、うるるるるる、ときてしまいました。

どうして、うるるるるるときたかというと、言葉にすると、そうですね(なに関係ないこと考えてんだ、と言われそうですが)、
ブライアンが創ったバンドが、こんなに多くの人を幸せにし続けてるよ。ライブに行った人だけじゃなくて、こうしてスクリーンを通してだって、多くの人にパワーを与え続けてるよ。
……って感じでしょうか。

スコセッシが大のストーンズ好きなのが伝わってきます。

そして、ライブ映像の間に、いい感じで若かりし頃のメンバーのインタヴューが入るのも効果的です。

人それぞれ意見はあるでしょうけれど、ライブ映像の連続では飽きてしまうかもしれない合間に、流れに合ったインタヴューを入れる演出は、さすがスコセッシという感じです。

”長く続ける秘訣”みたいなことも語っていて、これは聞き逃してはいけない。ほんの一言ですが。

この映画を観ていたら、(失礼ながら)ミックがどんなに女遍歴を重ねても、どんなにキースの目の下のアイラインが濃すぎても、チャーリーが演奏後にため息をついていても、ロンが若いコに走ろうとも、好き勝手にやってください、という気持ちになりました。

つまりそれくらい、みんな素晴らしいから、固いことは言いっこなしね、みたいな。

ほぼ60年代のストーンズしか知らない私でも、充分楽しめる映画でした。

特に共演したクリスティーナ・アギレラの迫力ある歌唱力などは必見!というか必聴!です。

キースがソロで歌うのも、ちゃんと観たのは初めてで、
「キースの歌声いい!」
と聴き入りながら、多量のタバコとお酒は歌声には関係ないのかしら、と思ったり。

多くの観客の方々はこの映画を観て「よし、自分もがんばろう!」って思えるのではないでしょうか。

それくらいパワフルな映画です。

でも決して押し付けがましくはない、それがまたいい。

ただ、ひとつだけ言わせてもらうならば、最後の、御伽噺のような映像、あれはどうなのかなって思いました。

現実から、突然架空の世界の話になってしまうような気がして。

私は、ライブ終わって、いきなり画面が黒くなってクレジットが流れて……、でもよかったような気がしているのですが。

映画界の巨匠に私が意見できる立場ではないですけれど、まあ、私なりの感想ということで。

最後に、ブライアンのファンとして、ブライアンについてのコメントを。

2003年のインタビューでミックは、”ブライアンはショービジネスには全く向いていなかった”と語っています。

そして、『ブライアンはバンドにどんな貢献をしたか』という質問に対して、
「そうだな、最初の頃はものすごく貢献してたよ。奴は取り憑かれてたからね――そしてこれは、バンドをやってる人間にとっては常に重要なことなんだ。バンドの運営、バンドの個性、バンドのあるべき姿に取り憑かれてたんだ。俺には異常にすら思えたよ。情熱も、一定の範囲を超えると強迫観念になるんだな」
などと答えています。

あまりブライアンに対して、いいコメントとは言えないのですが、ブライアンが異常な執念を持ってバンドを始めたからこそ、ストーンズは転がり始めたわけで、それが現在にもつながる活躍になっているのだと思います。

↓これはブライアンを意識しながら観ていた私の勝手な想像(妄想)です。

”始める”ことも大変だけど、”続ける”ことはもっと大変で、ブライアンはもしかして、

「俺は”始めた”けど、続けられなかった。バンドだけじゃなくて生き続けることもできなかった。だから現在のストーンズの活躍には、俺は全く関係ない」

なんて言うかもしれません。

でも、もしも誰も認めてないとしても、少なくとも私は認めたい、
「ブライアン、あなたの選んだメンバーはみんな素晴らしい。ブライアンが創ったバンドは、まだまだ元気に転がり続けるよ」
って。




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