「モロッコで断食(ラマダーン)」上・下(たかのてるこ著、幻冬舎)を読んだ。

何故、読んだかというと、モロッコに興味があるからで、何故、モロッコに興味があるかというと、もちろんブライアンの”ジャジューカ”つながりだからです!

(同じモロッコの四方田さんの本は、またの機会にご紹介します)

ブライアンを知って、ジャジューカを知って、そして諦めずに”ジャジューカ・プロジェクト”を実現させようと思っている私ではありますが、モロッコに行ったことはありません。

ですが、少しでもモロッコのことが知りたいな~と思っているのです。

この本は、著者である、たかのさんが、1993年に大学の卒業旅行で、初めてモロッコに旅した体験が書かれている。

たかのさんが女性ということもあってか、読みやすい文章のためか、まるで自分が初めてのモロッコへの旅に出たような気持ちになれた。

このモロッコでの体験談を読んだら、たまにクスクスを食べに行くお店の方が、
「モロッコに行きたいの? 行くとしても、女性一人は危険だよ」
と言っていたのが、よーくわかった。

しかし、
「ノンフィクションはフィクションよりドラマチックなんだなあ」
と、つくづく思ってしまった。

たかのさんはフランス→スペイン→モロッコというふうに旅したのですが、パリで泊まるホテルが無くフラフラしていると、たまたま同じ一人旅の、同じ年くらいの日本人女性と知り合い、その女性が一人で泊まる予定になっていたツインの部屋に潜り込ませてもらえたり、スペインで偶然出会った、やはり一人旅の日本人男性が高校時代の同級生で、スペインを一緒に旅してまわることになったり。

フィクションで物語を考えるとしても、
「こんな偶然、嘘くさいな~」
と、ボツにしてしまいそうなことが、現実には起こるものなのですね。

そして連れとも別れ、一人でタンジェ(モロッコ)に入ったたかのさんは、一人旅の”女性である”というだけで、危険な目に続けて遭ってしまう。

たまたまそこで会った(やはり同じ年くらいの)一人旅の日本人の男性に「一緒に行動して!」と頼みこむ。

しばらくその男性と行動をともにするのですが、男性が一緒というだけで、ピタリと危険な目に遭うことはなくなるのだ。

うーん、怖いぞ、モロッコの女の一人旅。(特にタンジェが怖いのでしょうか??)

また出会ったスペイン人の男性と三人で、ツアーに参加しないで、”砂漠に寝転がって、日の出と日の入りを見るぞ!”と意気込んで、自分たちだけで砂漠へ出かけていくのですが、そこには過酷な自然が待っていた。

映画「シェルタリング・スカイ」に出てくるような幻想的な世界はなく、何時間もひたすら歩き続ける。

日が暮れると急激に気温が下がり、眠ることもできない。何度も”限界”という言葉が駆け巡る。

気づくと日が昇っていて、疲れ果ててしまっていた三人は、そのまま出発した村まで帰ることにする。

砂漠を7,8時間、更に1時間歩き続けても、村が見えてこない。

髪の毛はパサパサになり、彼らはクタクタになってやっとのことで村にたどり着くのですが、この体験を読んでいたら、私自身の数年前の富士山登山の時のことを思い出してしまった。

あの時も、歩けど歩けど(下れど下れど)、五合目にたどり着けず、
「こんなに着かないなんて、おかしいよー」
と一緒に行った友人と話しながら、やっとたどり着いた時にはボロ布のようだった。

とはいえ、この砂漠体験ほど、過酷ではなかったと思いますが。

たかのさんがモロッコ滞在中に、ラマダーン(断食)月に入る。

日が出ている間は、水一滴飲んではいけないというのだ。

観光客であるたかのさんは、断食する必要はなかったのですが、現地の人と一緒にラマダーン体験をしようと決意する。

モロッコはイスラム暦(太陰暦)のため、西暦よりも1年が11日短く、ラマダーン月も夏になったり、冬になったりするそうだ。

西暦も使っているそうですが、これって、日本が西暦のほかに平成とか昭和とか使うのと似ているらしい。

たかのさんは、マラケシュで知り合った現地の男性(カリッド)と、その故郷である村に向かい、ベルベル語しか話せないカリッドの家族と何日か過ごすことになる。

しかし、ここでの生活ぶりはすごいな~と思った。

便利さに慣れてしまっている私には、トイレもないようなところでは、とても生活できそうにない。

でも、たかのさん自身も書かれているけれど、そこでの生活には素晴らしいものもたくさんある。

※引用※

ここには私の欲しくてたまらないものがたくさんあるのだ。家族揃ってのおしゃべりでの団らん。子どもたちの無垢で純真な笑顔。赤ちゃんが毎日ちょっとずつ大きくなっていくのを、みんなで見守っている世界。ここには、私を満たしてくれるものばかりが揃っている。これさえあれば十分じゃないか。こんなに私を豊かにしてくれる生活を前に、他に欲しいモノなんて思いつかない!

それでも、たかのさんは日本に帰ることにする。

日本には捨てられない現実の自分の生活(仕事など)が待っているから。

――私は思ってしまった。便利な生活を捨てられないのは別としても、それ以上に素晴らしいものがあるっていうことに気づけるチャンスを持てるのは、ステキな体験なんじゃないかなって。

それは、他の文化の素晴らしさを知ることにもなり、同時に、日本の素晴らしさを知ることになるのではないかなって。

本を読みながら、現地の人たちの温かさに、思わず涙ぐんでしまった。

大雪の中、村からマラケシュに戻る自動車が崖から転落し、必死の思いでそこから脱出するたかのさん。
なんて凄すぎる体験……。

自分を守ってくれたカリッドからプロポーズをされ、心を揺り動かされながらも、帰国を決意する。

自然の中に行くと、人間の本性が出るって聞いたことがあるけれど、極限のような状態で果敢に振舞う男性たちに惹かれてしまったたかのさんの心境はわかるような気がする。

この旅は1993年の経験で、この本は2002年にテレビで同タイトルの番組を制作することが決まったのと同時期に出版されたのだそうです。

たかのさんほどの強烈な体験はしなくてもいいけれど、やっぱり行ってみたいなあ、モロッコ。

……と、この本を読み終えて、あらためて思いました。




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