他の映画を借りに行って、目について思わず即レンタルしてしまったドキュメンタリー「レッド、ホワイト & ブルース」(出演: エリック・クラプトン, ジェフ・ベック 監督: マイク・フィギス)

パッケージがマディ・ウォーターズとミックが共演していたときの写真だったというのも目についた理由ですが、ブログでブライアンのことを書いていて、「ブルース」「ブルース」と言いながら、「ブルースとは何か?」ということをあまり知らなかった私は、
「これを観て、少しはブルースを知らなくちゃ」
と思ったのだ。

1968年のインタビューでミック・ジャガーは次のように語っています。
「ブライアンはエレクトロニクスの世界にはまり込んでいくだろうね」

でも私は、ブライアンはずっとブルース一筋のミュージシャンで、この当時もこの後もやりたかった音楽はブルースだったのだと思います。

だからといって、インタビューのミックの言葉に悪意があったというのではなくて、近くにいたって、人間同士、案外理解しあえてないのだということだと思います。

特に当時の彼らは、上手くコミュニケーションがとれていなかったのでしょうし。

さて、ブライアンが愛したブルースには、一体どんなもので、どういう魅力があったのでしょうか。

 

この映画は、戦後のジャズの話から始まって、1940年代になって初めて「ブルース」が知られ始めたなどということが、たくさんのミュージシャンたちによって語られていきます。

白黒の映像もたくさん出てきます。

例えば、1951年に初めて渡英、マディ・ウォーターズやバディ・ガイの先駆けだというビッグ・ビル・ブルーンジー(米国、歌手、ギタリスト、1893-1958)。

マディ・ウォーターズ(米国、ギタリスト、作詞作曲家 1915-1983)のステージでの、ブライアンが修得したというリトル・ウォルターのマウスオルガン(ハーモニカ)の演奏映像も出てきます。

かわるがわる次々にミュージシャンたちは、懐かしのエピソードを紹介します。

 

”フラミンゴ”は黒人音楽のクラブで、ジョン・メイオールはマンチェスターから毎週出てきて演奏をしたり、演奏をさせてくれと座り込みをしたりしていた、とか。

クリス・ファーロウが出演したときに、前の席にオーティス・レディングが座っていた。彼は楽屋に訪ねてきて「君はすばらしい」とクリス・ファーロウを誉め、自分が出る番組に誘った、とか。

アレクシス・コーナー(ブルース歌手、ギタリスト、1928-1984)も出てきます。

アレクシスとシリル・デイヴィスはマーキー(クラブ)で、実験的な音楽に挑んだ。

”フラミンゴ”でジャズをやっていたミュージシャンたちが、ブルース・インコーポレイティッドで演奏した。

エリック・クラプトンは、
「英国でエレキ・ギターを弾いているのを見たのは、アレクシスが初めてだった」
と語る。

アレクシスのステージを見て、若き日のブライアンもブルースに目覚めたのですよね。

そして、ビートルズやストーンズが出てきます。

B・B・キング曰く、
「ビートルズはロックンロールでブルースじゃない。でもブルースのにおいを感じた」

その他、彼らのことは次のように語られています。
「ビートルズは初期はブルースも歌ったが、創意に長けていた。ストーンズよりもね」
「ストーンズは基本的にブルース・バンドだ」
「ジャガー/リチャーズの曲は初期の楽曲は実にパワフルだ。黒人音楽から影響を受けながらも、真似じゃない。
彼らが渡米した時、黒人音楽家は言った。”白人が黒人音楽をやるのはいい。世に広まる”」

(初期の頃には、ブライアンが在籍していましたから!^^)

「米国人がゴミ箱に捨てた文化を、英国人は拾い上げたんだ」

「米国はある時急に、R&Rのルーツであるブルースを称えだした。これは話があべこべということで、英国のバンドの方が先だった。ストーンズが初めて渡米して、マディ・ウォーターズの偉大さを称えた時、米国人は彼を知らなかった

「白人が黒人の書いた曲をやるっていうのは、その曲は喜んでいるに違いない。何しろヒットして、大勢の人に聴いてもらえるんだ。私は思った。白人がブルースに気づくことで、黒人に閉ざされてたドアも開き始めたと。」

アメリカでは価値を認められなかったブルースに、イギリスのミュージシャンたちが命を吹き込んだのですね。

ジミ・ヘンドリックスが最初アメリカでは認められなかったのに、イギリスに行って、一気にスターになったのもその流れなのでしょう。

イギリスには、ブルースの魅力を理解し、それを人々にわからせたいと強く思うミュージシャンたちがいたのです。

もちろん、ブライアンもその一人でしょう。

ブルースとは何か?

ブルースを愛するミュージシャンたちは、口々に次のように語ります。

「ブルースを一言では言えないが、12小節の型で発達し、コード進行もごくシンプルだ。ジャズのように優雅には進化しなかった」

「ブルースは歌手や演奏家が心の底からしぼりだす真実を歌うものだ」

「シンプルで、誰にでもできる。使うコードは魔法の3つ。地球と太陽と月とも言えるし、男と女と神とも」

「今、我々が生きている人生、過去に生きた人生、これから生きるだろう人生、それを歌ってる。だから惹かれる。人生を歌っているからだ」

「宗教と似てる。僕は近頃になって、ブルースの意味がわかってきた。たとえばB・B・ブルーンジーの音楽は、彼の歌詞や物語のことだ。それはミュージシャンではない人の方が、理解しやすい」

「曲は2行だ。最初の2行は同じ繰り返しで、そして3行目でオチがつく。だが要は感覚だ」

「感覚とか心の問題だ。言葉もわからず、歌詞も理解できなかった。何を歌っているのか。だが感じたんだ」

「黒人も白人も関係ない。ブルースは人間の真実だ」

「何かを訴えるものだ。音楽による訴え。人の切羽つまった心情を表す手段だ」

「すべての音楽が持つものだ。ブルースのない音楽は、何か欠けてる」

「ブルースはあまりにリアルで、生気がある。レーダーに映らないことはありえない。それだけ力強いパワーを持ってるからだ」

ブルースが英国人によって広められたことは次のように語られている。
「英国ブルースがなかったら、黒人音楽家は、今ほど成功してなかったと思う。彼らに聞いたら、こう答える。”英国人がやってきて、ブルースを広めたおかげで、世界的に知られる音楽になった”と」

「黒人に音楽をやるチャンスが与えられた。当時虐げられていた彼らにね。ジャズのリバイバルも米国人に感じさせた。ジャズという音楽の重要性を」

最後にB・B・キングが言います。
「もし英国人がいなければ、米国の黒人ミュージシャンたちは未だに地獄を見ていたと思う。感謝してるよ。君たちがドアを開けてなきゃ、私は死ぬまで暗闇にいた。ありがとう」

ブライアンが生きていたら、コメントをする一人として登場したのかも、と思ってしまいました。

あ、ブライアンがハーモニカを演奏している初期のストーンズの映像も、チラッと出てきます。

この映画(DVD)、ブルースを知りたい方、ブルースが好きな方にはお勧めです!




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