映画「包帯クラブ」(原作:天童荒太、監督:堤幸彦、CAST:柳楽優弥、石原さとみ、他)を観た。

観ようと思ったきっかけは、原作が天童さんだったこと。きっと深みのある物語だろうと思ったのだ。

そして原作がきっかけと言いながら、原作を読むより先に映画館へ^^;

あまり客入りがよくないという噂があったけれど、そういう噂があっても実際映画館に行ってみると、「ほぼ満席状態」という経験を何度もしてきました。

が、今回は――本当に、観客数少なかったです……
ゆっくり観られるので、私はこのくらいの雰囲気、好きなのですが。

**あらすじ**

「巻きます。効きます。人によります。」
ネット上に作られた『包帯クラブ』。
メンバーは、ディノ、ワラ、タンシオ、ギモ、リスキ。
傷ついた人がそこに投稿し、メンバーが投稿者の傷ついた場所に包帯を巻きに行く。その写真を投稿者にメールで返送する、という活動をしている。
他人の傷に触れ、自分自身の傷を改めて見つめ直し、それぞれの傷を癒すことにつながっていく。
しかし、『包帯クラブ』の活動は偽善であるという書き込みがあり、その活動は警察沙汰にまでなってしまう。
サイト閉鎖まで追い込まれてしまった『包帯クラブ』は、どうなってしまうのか――

******

これって青春映画なのでしょうか?

高校生たちが中心なので、青春映画といえるのかもしれません。

でも私には、青春映画というよりも、もっと幅の広い物語、というふうにとれました。

生きていく上でぶつかってしまう状況に傷つけられていく。そういう傷を抱えている人たちに希望の光を与えるような、そんな映画のような気がしました。

誰にも打ち明けられない心の傷を、インターネットを通して伝える。

自分のことを知らない人にだからこそ、素直に伝えられる。

受け止めてくれる誰かがいるだけで、安心できる。

そして知らない相手が、自分のことを思いながら動いてくれることで、その思いやりを感じることで、傷の痛みは和らぐのだ。

そんな思いに共感しながらホロリと涙し、その一方で、「愛」だのなんだの「ばっかじゃないの?」と思う気持ちにも共感できる。

人間は結局、自分が一番大切なんでしょ? 人のために何かやったからっていい気になって、そんなの偽善だよ……、と思いつつ、結局は自分が一番大切なのかもしれないけど、それでも自分を犠牲にしてまで誰かのために何かをしてあげたい、と思う瞬間だってあるって、私自身もどこかで信じている。

そしてそういう心って、とってもステキ。

人間って、愚かで自分勝手だけど、愛おしいところもあるんだよっていうこと。

長めの映画でしたが、退屈することもなくラストまで観ました。

派手な演出もないので、あまり評判にならないのでしょうか。

”包帯”という傷を癒すためにわかりやすいものを使ったのがいいのか悪いのか意見が分かれるところだとは思います

が、でも地味で、淡々としていて、派手なアクションも演出もない、でもしっかりと人の心を捉えている、そんな映画が、私は好きです。

「青春映画」の枠にハマらない、もっと大きな意味のある映画だと思いました。




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