「ビリディアナ」1961年公開、ルイス・ブニュエル監督による映画。

カンヌ映画祭でグランプリ受賞。

その後、スペイン政府に「冒涜的である」と批判され、上映を妨害された。

ところが、この傑作は国境を越え評価され、12月にはベルギーで公開され、ブリュッセル映画祭グランプリを受賞。

1962年2月にはイギリスで公開、3月にフランスで公開。日本での公開は1964年だそうだ。

この映画を観たいと思ったのは、先日書いた「BEGGARS BANQUET」というブログで引用したロックジェットの中の四方田犬彦さんのインタビューを読んだから。

※引用※

「《ベガーズ・バンケット》のアルバム・ジャケットをばっと広げると、「乞食の饗宴」をローリング・ストーンズがやっている写真がありますよね。この光景は見たことがあると思ったわけです。これは、ルイス・ブニュエルの『ビリディアナ』だと。それは、ストーンズのファンはご存知なのでしょうか」
――いえ、知りませんでした!
~~中略~~
「簡単に言いますと、心の奇麗なビリディアナという、17歳くらいの修道女がいるんです。孤児なんですけど、おじさんがいるんですね。お金持ちで、独身で、豪邸に住んでいる。そのおじさんが、ビリディアナを凄く好きで、修道女なんてやめて結婚してくれというんです。で、薬を飲ませて眠らせて、襲おうとするんですが、やはりできない。翌朝、ビリディアナには嘘をついて犯したと言ってしまう。だから、結婚してくれと。もちろんビリディアナは断り、修道院に帰ろうと出て行くわけですが、その後、彼は自殺してしまいます。で、ビリディアナはその財産と豪邸を、おじさんの息子に当たる人と共に受け継いで、シスターを辞めてそこに住むことにするんです。おじさんの死は自分に責任があると思っている。ビリディアナにはキリスト教精神があるので、貧しい人に対して優しくするわけです。それで、街中の乞食を自分の屋敷の離れに集めて住まわせるわけです。貧窮院をひらく。みんなに毎日ご飯を作ってやったり、神に祈らせたりするわけですよ。ある時、用事でビリディアナなどが一晩家を留守にすることになった。母屋には誰もいなくなってしまうわけです。すると、乞食達は入っちゃいけない屋敷に入り、晩餐をはじめる。羊を殺して料理をはじめ、酒をバンバン飲み、しまってあったウェディングドレスを持ってきて着て遊んだりする。まさに、乞食の饗宴(ベガーズ・バンケット)を始めるわけです。
――ベガーズ・バンケットですか。
「映画では、そのどんちゃん騒ぎが、延々続く。でも、そこにビリディアナが帰ってくる。乞食達は帰り出すんですが、なんとビリディアナを犯そうとする者もいる。次の日になると、彼女は、修道女がかぶっているベールをとって、金髪を露わにし、胸元を開けた服を着て、情婦と共にいるおじさんの息子の部屋にやって来て、一緒にトランプを始める。そういう映画なんです」
~~中略~~
「乞食達の晩餐の最中、記念写真が撮られるのですが、その構図は、レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた「最後の晩餐」なんですね。だから13人の乞食が写る。その中の親玉が盲人で、ちょうどイエスの位置にいる。この映画を、僕は64年に観て、凄いなと思っていた。で、その後何年かして、《ベガーズ・バンケット》の内ジャケットを見て、なんだ、これかあ、と思ったわけです」
――ブニュエルに興味がなければ分かりませんね。
「たぶん当時のストーンズを聞いていたヨーロッパの人はみな分かっていたと思いますよ。私は後に何かの本で、ミック・ジャガーが、ブニュエルの映画を観て面白かった、という発言をしているのを読みました。それで、やっぱりと思ったわけです」

すごい、映画を観た後で、改めて四方田さんが説明する映画のあらすじを読むと、そのまんま内容ピタリ、です。

映画を観なくても、このあらすじを読めば観たのと同じようなもの、って感じすらします。

ただビリディアナ、17歳くらいの設定だとは思いませんでした。

西洋の人は、大人っぽいですね……

「ベガーズ・バンケット」のジャケットの中の写真は好きなので、意外に思うと同時に、ちょっとショック。

映画と似せたもので、ストーンズのオリジナルじゃなかったなんて。

このインタビューを読んで、
「『ビリディアナ』を観たい!」
と思ったものの、レンタル屋さんに行っても置かれていず、販売されているのは「ビリディアナ」以外の映画もセットになっているDVDボックスのみだったので、中々観られなかった。

DVDボックスを買えば、すぐに観られたのですが、結構高いし、とりあえず「ちょっと観たい」って感じだったので、わざわざ買う必要もないかなって思っていたので、ひたすらレンタルか、安く売られているビデオがないかなって思って探していたのだ。

関西の方に、レンタルしているお店を発見し、
「休みを利用して、レンタル屋さんまで日帰りで行ってくるか!」
と決心しかけた。

ビデオ1本借りるために、新幹線に乗って行くなんて、なんだかドラマチック!なんて思ったものの、よく考えたら、往復の交通費の方が、DVDボックスを買うよりも高くつくことに気づいた。

しかも借りたら返しに行かなくてはならないのだ。

「返す時は宅急便で」
と交渉しようかと思ったけれど、それにしても借りに行くだけで予算オーバー。

探し続けていたところ、都内に置いてあるレンタル屋さんを発見して、
「貸し出し中でありませんように!」
と祈りながら行き、無事に借りることが出来たのでしたーv

あ、その時に一緒に借りたのが「あの胸にもういちど」です。

「あの胸にもういちど」のブログで書いた、「お目当ての映画」というのは、この「ビリディアナ」だったのです。

映画はおもしろかったです!

こういうの、好きです。

なんていうか、単純に「善と悪」じゃないというか、「弱者と強者」じゃないというか、一人の人間の中には天使と悪魔が同居しているっていうような感じ。

ただ、今読んでいる「巨匠とマルガリータ」もそうですが、宗教がわからない私には、理解できない部分が多いのだと思います。

これらの作品をよりおもしろく観るためには、宗教を(信仰しなくてもいいけれど)理解することが必要なのかもしれません。

私は「ピラトって誰?」ってレベルなので;

そういえば、先日行った「ダ・ヴィンチ展」で、「最後の晩餐」が描かれている(?)映画として、この「ビリディアナ」の乞食の晩餐のシーンが流れていました。

たまたま興味を持って見たものが、つながっていたような不思議な感覚でした。

ミックはこの映画を観て、「ベガーズ・バンケット」を思いついたのでしょうか。

「巨匠とマルガリータ」を読んで、「悪魔を憐れむ歌」を思いついたとか……、
うーん、それらからインスピレーションを得たというよりも、”まんま”じゃないかと思ってしまうのですが;

同じインスピレーションを得るのでも、例えば、○○に捧げるために曲を書いた、××をモデルに△△というストーリーを思いついた、というのとは違うような……、

ミックのオリジナルティーは何処に――

難しいこと言わずに、いいものが出来たのなら、それでいいんだ、ってところでしょうか。




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